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第3期 第5回 実験動物のアニマルウェルフェア

講師:徳光 綾子北海道大学病院臨床研究開発センター 特定専門職員 ・世界的な動物実験の基準理念になっている「3R」〔Replacement(代替)、Reduction(削減)、Refinement(苦痛の軽減)〕について説明後、次のような問題点を指摘した・オランダの研究チームによると、研究に使われた5,590匹の動物のうち、論文などで言及されたのは26%程度。「失敗した研究」を公表しなかった場合、時間やコストの浪費、実験動物の無駄につながる。・世界中の研究機関でSTAP細胞に関する動物実験が行なわれ、多くの動物が犠牲になった。理化学研究所の小保方氏が行なったような研究不正は、使用された動物の生命も無駄に終わる結果になる。・動物の使用を伴う実験や試験において、その数を減らすことができる科学的な手法として「動物実験代替法」を追究する学会がある。市民講座も開催されている。動物実験に携わる人は、動物の生命を犠牲にしていることを自覚し、アニマルウェルフェアや3Rに基づいて臨んでほしい。また、科学技術の発達で多くの代替法が開発されており、今後の発展を期待したい。・参加者からは、「日本の動物愛護管理法には、実験動物をきちんと規制する条文がない。行政も、どこで、どんな動物が飼育されているか把握していない。外からチェックできる第三者機関もない」、「3Rや代替法は道半ば。闇の中というのが現状だ。有名な大学で信じられない飼い方がされている」といった意見も出された。◎第3期講座を振り返っての感想から・今までは『動物は生命あるもの』と受け止めていなかったので、勉強になった・子どものころ、鶏や馬を飼い家計の補助にした。高校生の時にはカエルの解剖もやったが、動物の生命のことを十分考えなかった反省がある(1940年代生まれ)。・5回参加したが、家畜について全く知らなかったので、これからも勉強を続けたい・人間の飼育下にある動物について、明確な倫理基準をどこに持っていくのか──今後の課題ではないか。日本人は、自然界に配慮しても、動物には配慮していない。イルカショーに対しても、欧米人との意識の違いがある。・実験動物であれ、家畜であれ、きちんとアニマルウェルフェアを考えなければならないと思った。 [...]

2023-05-05T17:30:25+09:002021.02.16|開催講座|

第3期 第4回 犬・猫は家族、牛・鶏・豚は食べ物? – 畜産業界とペット業界の現実

講師:瀬川 浩 / 瀬川 綾子北海道食の自給ネットワーク「あにふく」プロジェクトメンバー ・私たちは畜産・伴侶動物とは無関係の企業に勤める会社員。しかし、動物たちの命のある限りは幸せな一生を送ってほしい、そのことに貢献したいと思ってきた。 ・犬猫の国内飼育数は微減ながら、ペット市場の規模は拡大している。殺処分は、過去10年間で24万頭減少した(猫の減少割合が高い)。市場で売れ残った犬猫は「引き取り屋」に流れる。店頭に並ぶまでの流通中に死亡する犬猫は2.6万頭(18年度の数値)に上る。 ・2019年の動物愛護管理法の改正で、伴侶動物(ペット)の頭数規制や飼育・運動スペースのサイズ規定、繁殖制限の義務化などが盛り込まれた。同法には、牛や豚、鶏などの畜産動物も含まれる。(家畜に対する)意図的な虐待やネグレクトは規制の対象になる。 [...]

2023-05-05T17:21:57+09:002021.01.19|開催講座|

第3期 第3回 葬祭会社が取り組む平飼い&放牧養鶏

講師:栗原 直樹 The北海道ファーム株式会社 代表 ・2013年、千葉県内で葬祭事業を営む「十全社」の農業部門として、空知管内栗山町で生産法人を設立。翌年から耕作を始めた。現在の経営面積は水田10ha+畑5ha。二人の専従スタッフで、米やカボチャ、ジャガイモ、果樹、卵などの生産に取り組む。 ・養鶏部門は、農場産米の規格外品2~3トンを活用すべくスタート。輸入飼料による養鶏ではなく、餌の安全性や透明性を追求するうちに、アニマルウェルフェア養鶏になってきた。 ・現在は4種類の鶏を飼育中。成鶏~夏季は平飼いの鶏舎(55坪)と放牧場(370坪)に約400羽を、冬季は200羽を鶏舎で飼育。育成中の鶏~平飼い鶏舎と放牧場を利用する。 [...]

2023-05-05T17:14:05+09:002020.12.15|開催講座|

第3期 第2回 アニマルライツ(動物の権利)から見た家畜福祉

講師:岡田 千尋 認定NPO法人アニマルライツセンター 代表理事 ・私たちの使命は、動物の苦しみを効果的に減らすこと。人が動物を管理・利用するという前提に立たず、動物本来の生態・欲求・行動を尊重する。動物への配慮には「飼育状態を改善する」「苦しむ動物の数を減らす」という二つの観点が必要になる ・鶏の「止まり木」は、骨のボリュームと強度を維持するためにも重要。鶏は、餌箱から食べるよりも、地面から自分で探す方法を選ぶ。バタリーケージで飼われるより、放牧のほうが翼や足の骨は丈夫になる(スライド参照)。ウインドレス鶏舎のケージ飼育→開放鶏舎のケージ飼育→平飼い→放牧の順で、サルモネラの検出率は低くなる。 [...]

2023-05-05T17:07:15+09:002020.11.17|開催講座|

第3期 第1回 放牧酪農家にとってのアニマルウェルフェア

講師:吉川 友二 ありがとう牧場 代表 ・農業とは唯一、無から富を生みだす産業。農業で一番大事なことは、自然の力を最大限に引き出すことである。放牧酪農は奇跡の農法であり、草しか育たない自然の厳しい地域で、人間が豊かに生きることができた。牛を野山に放すと、(牛が)大地を踏み、植物を食べ、糞尿を散布することで草地という生態系を創りだす。放牧をしていると、草地更新(土を起こし、牧草の種を蒔き直すこと)が必要ない。 ・アニマルウェルフェアは、学問的な数字でなくても、人が動物の身になって感じて、判断することができる。日本の乳牛の平均生産寿命(産次数)は2.5産と低い。牛の寿命は動物福祉の指標になりうる。北海道東部の標茶町の平均産次数は2.8。同じ町でも放牧酪農家の平均は3.6産だった。放牧をすれば、酪農家は30頭の搾乳牛で豊かに暮らしていける。 [...]

2023-05-05T16:47:22+09:002020.10.20|開催講座|

第2期 第4回 アニマルウェルフェアと食の安全・安心 – 牛乳・乳製品を中心に

講師:紺野 勝歳 元・雪印乳業株式会社 北海道統括支店 お客様相談室長 1935年、陸別町生まれ。酪農学園機農高を卒業後、牧場従業員を経て雪印乳業に入社し、バターの製造や物流部門などを担当。(一社)北海道発明協会事務局長、(一社)アニマルウェルフェア畜産協会監事などを務めた。 [...]

2023-04-10T14:47:05+09:002020.08.29|開催講座|

第2期 第3回 動物たちのためにあなたができること

講師:瀬川 綾子 新潟動物ネットワーク(NDN)、NPO法人 北海道食の自給ネットワーク「あにふく」プロジェクトメンバー 新潟県生まれ。子供の頃から大の動物好き。「人と動物の共生を目指して」をスローガンに掲げるボランティア団体NDNでの、犬や猫をはじめとした動物愛護活動を経て、アニマルウェルフェアに出会う。 - [...]

2023-04-11T14:24:39+09:002020.07.18|開催講座|
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