講座情報

第2期 第3回 動物たちのためにあなたができること

2020年7月18日

講師:瀬川 綾子
新潟動物ネットワーク(NDN)、NPO法人 北海道食の自給ネットワーク「あにふく」プロジェクトメンバー

新潟県生まれ。子供の頃から大の動物好き。「人と動物の共生を目指して」をスローガンに掲げるボランティア団体NDNでの、犬や猫をはじめとした動物愛護活動を経て、アニマルウェルフェアに出会う。

講師:瀬川 浩
NPO法人 北海道食の自給ネットワーク「あにふく」プロジェクトメンバー

仙台市生まれ。動物も命ある生き物。ペットとして飼われる動物も、家畜となる動物も、命がある間は幸せに生きて欲しいと思い、新潟動物ネットワークへ参加し、動物保護活動からアニマルウェルフェアに出会う。

・保健所による犬や猫の殺処分数は減っており、その要因として自治体の「殺処分ゼロ」への取り組みや、動物愛護管理法の改定などによる社会的な意識の変化が挙げられる。また、保健所が業者からの引き取りを拒否できるようになったことも、殺処分が減った要因の一つだろう。

・一方で、ペットショップで売れなかった犬や猫のために、「引き取り屋」という新たな事業が登場した。狭い収容スペースに動物を押し込み、早く死ぬのを待つようなビジネスが行なわれている。ペットを大量生産するには、常に産ませ、運び、売らなければならない。流通の過程で何万頭も死亡している実態があり、きちんと管理されているのかどうか疑問だ。

・2020年の動物愛護管理法改正(21年6月施行予定)によって、飼育頭数の規制が行なわれるようになり、ケージの大きさなどが定められた。繁殖回数などの規制も盛られている。大きな進歩ではあるが、まだまだ足りない現状もある。

・私たちが参加している新潟動物ネットワーク(NDN)は、人間と動物との共生をめざし、一人ひとりがアクションを起こすことで社会を変えようとしてきた。班別の活動を行ない、イベントや学習による動物に対する啓発を進めている。

・多頭飼育崩壊の現場では、最初の段階で不妊去勢手術が行なわれず、猫も人間も不幸になっている。猫の風邪症状など、閉じられた狭い空間では感染症のリスクも伴う。2019年にはNDNに対し、87件の多頭飼育崩壊に関する相談が寄せられた。北海道内でも同様の問題が起きている(江別市での事例を紹介)。

・アニマルウェルフェア(動物福祉)は、動物にとっての自由や幸福を考えることが根源にある。動物愛護は、人間が動物の生命を愛していく、という考え方だ。両者はほぼイコールであり、動物に対する最低限の配慮であると思う。

・どんな動物に生まれ変わりたいか、自分がペットショップの犬や猫だったらどうするか──それらを考えてみることが、私たちにできること。線引きして動物を区別することに違和感を覚える。私たちがどれだけ多くの動物に支えられているか考え、意識を変えていくのは人間として当たり前のことだ。