講座情報

第3期 第3回 葬祭会社が取り組む平飼い&放牧養鶏

2020年12月15日

講師:栗原 直樹
The北海道ファーム株式会社 代表

・2013年、千葉県内で葬祭事業を営む「十全社」の農業部門として、空知管内栗山町で生産法人を設立。翌年から耕作を始めた。現在の経営面積は水田10ha+畑5ha。二人の専従スタッフで、米やカボチャ、ジャガイモ、果樹、卵などの生産に取り組む。

・養鶏部門は、農場産米の規格外品2~3トンを活用すべくスタート。輸入飼料による養鶏ではなく、餌の安全性や透明性を追求するうちに、アニマルウェルフェア養鶏になってきた。

・現在は4種類の鶏を飼育中。成鶏~夏季は平飼いの鶏舎(55坪)と放牧場(370坪)に約400羽を、冬季は200羽を鶏舎で飼育。育成中の鶏~平飼い鶏舎と放牧場を利用する。

・飼料はほぼ100%北海道産。自社農場の規格外玄米と米ぬか、小樽の水産加工場産の魚粉、オホーツク産のカキ殻を自家配合して食べさせる。夏場は緑餌も。

・夏場は、鶏舎と放牧場を24時間開放し、鶏は自由に出入りして生活する。日照や砂浴び、運動、鶏の自由な行動を妨げないメリットがある。デメリットはケガの発生やキツネなど害獣のリスクが増えることなど。

・デビーク(嘴の切断)はしない。強制換羽やワクチン投与は未実施。群れの安定のため、雌100羽に対し、雄1~3羽程度を飼育(有精卵が目的ではない)。冬季は、鶏舎内が12時間は明るくなるよう点灯。現在、飼育期間を2年サイクルから3年サイクル、それ以上にするよう模索中。「180日成育→540日採卵→廃鶏」への疑問や戸惑いがある。長い間、鶏を飼いたいのでチャレンジしている。

・米を食べると卵の黄身は白っぽくなる。グループ会社で一部を白いプリンに加工。卵は農場内のショップなどで販売する。今後も規格外米で飼育できる範囲で続けていく。お客さんとのコミュニケーション、見学はいい緊張感とやり甲斐がある。養鶏や卵への関心の高まりに期待し、PRを続けていきたい。