講座情報

第2期 第5回 消費者にとってのアニマルウェルフェア

2020年9月12日

講師:山﨑 栄子
生活クラブ生協 北海道 理事長、小池 香織 生活クラブ生協 北海道 理事

1963年、端野町生まれ。北見柏陽高を卒業後、北見信金に就職。夫の転勤に伴い道内各地で生活。2000年から生協活動に参加し、16年から理事長を務める。

講師:小池 香織
生活クラブ生協 北海道 理事

1975年、北海道生まれ。子供たちに関わる仕事や介護職の後、生活クラブ生協で活動。北海道食の自給ネットワーク「あにふく」メンバー。

山﨑 栄子「生活クラブ生協の取り組み」

・現在、北海道から関西圏まで27都道府県に32単協+連合会がある。生活クラブ・北海道は82年に設立され、現組合員数は約1.4万人。週1回の予約共同購入の無店舗生協として活動している。

・国産種の肉用鶏「はりま」の共同購入に取り組む。開放鶏舎で平飼い。一般ブロイラーでは一坪あたり50~60羽のところ、「はりま」は35羽で飼育する。

・飼料の主原料はnonGM(遺伝子組み換え)、非ポストハーベスト農薬のコーンや大豆粕。抗生物質は投与しない。「ゆっくり育てる」を基本に、55日間の飼育で出荷。採卵鶏はケージ飼いだが、飼育密度を広くしてもらっている。

・後志管内古平町の養豚場で飼育された三元豚を共同購入してきた。省投薬、慣行よりも長い飼育日数で出荷している。肉用牛は北海道チクレン、牛乳・乳製品はサツラク農協と提携。乳牛の飼養形態は指定しておらず、繋ぎやフリーストール、一部放牧などさまざま。飼育環境に留意してもらっている。

・生産者と一緒に家畜を健康に育てることが私たちの健康につながる。農場見学や飼料の調査などで情報公開に努め、その価値を理解する人を増やしたい。そこから健康な家畜も増えるのではないか。

食べもの・エネルギー・福祉の自給や循環をめざす生活クラブの理念

取り扱う豚肉についてのカタログなど

小池 香織「北海道食の自給ネットワーク「あにふく」の取り組み」

・2014年から年数回、学習会やフォーラム、産地見学会などを続けてきた。学習会ではフリートークを重視している。アニマルウェルフェアを広めるために、北海道生協連や関係団体との合同企画も。参加者からは、「消費者意識が変わらないと日本の農業は変わらない」「アニマルウェルフェアに取り組む農場の牛乳と、一般の牛乳が区別できる方法が見つかってほしい」「アニマルウェルフェアの知識や体験が必要」などの声が寄せられた。

・親たちの生活が子どもの価値観に影響を与える。日々の買い物のなかで、面倒くさがらずに、「なぜ、この畜産食品を選ぶのか?」と伝えることが大事。そうすることで、お金だけでなく、食品の背後にある価値を想像する力が養われるのではないか。