講座情報

第1期 第2回 ペットフードの危険な原材料 – ボロボロで薬漬けされた動物たち

2019年11月16日

講師:小林 宏幸
株式会社克フーズ 代表取締役

札幌市生まれ。小樽商科大卒業。
道産原料100%、完全無添加のペットフードの製造、企画、販売を営む株式会社克フーズを設立し、現在に至る。
経専北海道どうぶつ専門学校非常勤講師。犬の管理栄養士。

・大学を卒業して3年間、食肉会社で加工や品質管理、営業などに携わり、食肉の偽装や腐った豚肉をペットフードに回すなど食品業界の闇の部分も経験した。その会社が倒産後、犬を飼う友人宅で「最近、ドッグフードを食べない」と聞く。原材料表示には人間が食べられない廃棄物が使われていた。開封して3年のドッグフードが腐らなかったり、(家畜を)レンダリングして粉末状にした原材料が混ぜられている実態を知った。

・日本では現在、1,500種類ほどの食品添加物が認可されている。犬や猫のフードで禁止されている添加物は10種類だけで、人間が食べられないものがたくさん入っている。死亡した家畜の肉は、人間の食用にできないが、ペットフードには使われる。

・(狂牛病の原因とされた)肉骨粉や家畜の不可食部分も、トレースが不明確な部分があるのが業界の実態。ドッグフードは、カリカリより生で食べるほうが効率が良い。レンダリングしたものは栄養学的にも疑問があり、ペットの健康を粗末にしているのではないか。

・食品を扱った経験のない人にドッグフード製造は任せられないと考え、みずから起業した。カリカリのフードは、人間用の「カロリーメイト」に例えることができるが、栄養素は自然の素材から摂るほうがいい。犬を飼う方は、まずドッグフードを代えてみてはどうか。

・アニマルウェルフェア(AW)は「動物を大事にしよう」「動物を健康的に育てることで、私たちの食材も良い状態になる」という二つの側面を持っている。「育てるけれど食べる」の矛盾からは逃れられない。ペットフードも動物の生命をいただいている。

・食べさせているドッグフードが1,000円/㎏なら、それを1,500円のものにしないか、というのが僕らの提案。少しでも(良質な)高いペットフードを買おうとする飼い主の意識が必要。人間は表面的な名称や表示にだまされやすい。「どんな形で製造されているか?」を掘り起こす考え方が大事と考える。

・AWの長期的なメリットを考えよう。動物には〝癒し効果〟があり、「ペットを飼うことが長寿につながる」という研究論文も発表されている。僕が担当している動物専門学校の授業でも、鳥の鳴き声を流すと学生たちに好評です。